【秘本】6代目天狼院秘本

【6代目天狼院秘本】309(サン・マル・ク)の衝撃《通販受付中》


天狼院書店店主の三浦でございます。

正直、僕は諦めておりました。

たしかに、天狼院が用意している本屋をまるごと雑誌にしてしまう大プロジェクト「月刊天狼院書店」の創刊に合わせて、まったく新しい天狼院秘本、すなわち、「6代目天狼院秘本」があるのが望ましい。

けれども、5代目天狼院秘本『コーヒーが冷めないうちに』が見つかって以来、およそ4ヶ月に渡って、「6代目天狼院秘本」の必死の捜索が続きました。それまで、様々な出版社の営業の方、編集の方、著者の方、お客様に

「6代目の候補、ありませんか?」

と、聞いて回り、様々な書店に行っては、万単位で書籍を買ってきて、誰かの記事で気になっては書籍を取り寄せて積み上げてと、非常に忙しい合間にそれを読み、時に睡眠時間をほとんど犠牲にしてまで読み尽くしても、「6代目」は僕の前には現れては来れませんでした。

もちろん、よい作品、素晴らしい作品は、僕の前に山積みされていったわけですが、ただ、よいだけではやはり、天狼院秘本にはなりえません。

「糸井重里秘本」こと『骨風』は、実質絶版の瀬戸際から不死鳥のごとく舞い戻り、20,000部ほどにまで版を重ね、その後に出た5代目にいたっては、発売以降、急速に全国に広がり、現時点で12万部の大ヒットを記録しております。

どうしても、これらに勝てる作品でなければならない。
そうでなければ、おそらく、天狼院のお客様が納得しないでしょう。

なにより、僕が納得できません。

苛立ちと、失望の中、いよいよ、「月刊天狼院書店」の発売日が近づいて来ました。
最後の編集会議でも、「6代目」が決まったという報告ができずに、もう、開き直る覚悟でいました。

それで、天狼院秘本が見つからないことを題材にした小説も密かに作っていました。

そう、もはや「見つからない」ということを、コンテンツにしようと考えたのです。

気長に待とうと考えました。
現れないのであれば、現れるまで、何ヶ月でも何年でも待ってやろうと開き直りました。

下手に妥協すれば、天狼院秘本は、死んでしまいます。
ぜったいに、納得の行く作品を6代目にしようと決意しました。

ところが、出合いとは、本当に思いがけないところにあるものです。

その日は、極めて忙しい日でした。
朝の7時から全開で働き始め、スタッフに指示をし、著者の先生や編集者の方とやり取りをし、イベントを組み上げ、書籍の企画も練り上げ、そして、ライティング・ゼミの記事も45記事以上読み、それに評をつけと、そうこうしているうちに、その日も仕事を終えたのが、午前4時を過ぎていました。
気づけば、全開で21時間労動をしていました。

それほどヘトヘトに疲れると、通常ならば、すぐに眠りにおちると思えましたが、その日は違いました。

眠る体力さえも残されていませんでした。

仕方なく、本当に、仕方なく、僕は本を開くことにしました。

その本は、天狼院秘本の候補に一度上げられて、四分の一くらい読んだところで、これはないだろうなと思っていた本でした。

僕はその作家の本は、結構読んでいて、これまでの作品に比べて、意欲的なところも、革命的なところも、挑戦的なところも、その段階では見受けられなかったからです。

ただ、淡々と物語が進んでいて、この作家の方も老成して、この手の小説に移行したのか、あるいは、あの爆発的な、予測不能の成長は、もう見られないのかと、半ば、落胆しながら、けれども、読むのをやめられなくて、読み続けていた本でした。

「ん? まてよ・・・・・・」

読んでいるうちに、ふと、気付きました。

意欲的なところも、革命的なところも、挑戦的なところも、その段階ではなかったのに、なぜ、読むのをやめられないのだろう。

それは、決して、お金がもったいないから、とか、この著者がやっぱり好きだから、などといった理由で読み続けていたのではありませんでした。

なぜか、不思議と、読むのがやめられない。

淡々としているのに、なんら、際立った事件が起きたりしないのに、変わったキャラクターがいるわけでもないのに、読むのがやめられない。

もしかして、と僕は読みながら勘ぐっていました。

この本は、あえて、事件を起こさないのだ。
読者が本を閉じるか、閉じないかのギリギリのラインで、まるで、自転車が推進力が足らずに倒れるかどうかのギリギリであえてペダルを踏んでいるように、リーダビリティを、コントロールしているのではないだろうか。

そう思った瞬間に、何らかの予兆を、僕はその時、感じてしまったのかもしれません。

読みながら眠ってしまわないように、例のごとく、湯船にお湯をためて、風呂に入りながらこの本にとことん付き合うことにしました。

分厚い本です。たぶん、読み終えるまでにだいぶ時間がかかるだろうと思いました。

それでも、今思えば、それほど期待はしていなかったのだろうと思います。
なにせ、ここ数ヶ月、結局は現れなかった「6代目」が、「月刊天狼院書店」の発売が6日後に迫ったその日に現れるなんて、都合のいい話はないだろうと、半ば、ふてくされるようにして思っていたに違いありません。

だからでしょう。

その一文に出合ったときに、文字通り、



「あっ!!!!!」



と、ひとり、風呂場で大声を上げていました。

一気に目が覚めました。

鼓動が高くなりました。

汗が吹き出しました。

あまりの衝撃に、やられた、と涙が出そうになりました。
そして、何より、嬉しくなりました。

これだから、読書はやめられない。

その1文は、309ページにありました。

つまり、この309ページまで、ついに作者は「淡々」に付きあわせてしまったのです。
自転車は、ここに至るまで、疾走をしたことがありませんでした。

なんということだろう、と思いました。

ここに来る前に、読者が本を閉じてしまったら、いったい、どうするつもりだったのか、と僕は思いました。

いや、この本の作者は、自信があったのです。

自分の筆力であれば、たとえ、疾走がなくとも、ここまで、この衝撃的な部分まで、読者を連れてくることができると。

現に、疲れきっているはずの、6代目天狼院秘本をあきらめていたはずの僕も、309ページのこの部分まで、作者に連れてこられてしまったのです。



「当代随一・・・・・・」



気がつけば、僕はそうつぶやいていました。

間違いなく、この作者は、当代随一の書き手です。
日本が世界に誇れる作者は、あるいは、この人なのかもしれない。
もっと世界が知るべきなのは、この人なのかもしれない。

もう、ページを捲る手が止まりませんでした。

一度、疾走してしまった物語は、もはや、とどまるところを知りませんでした。

これまで、ためていた分、まるでディープインパクトが最後の最後の直線で、他のサラブレッドを鮮やかにごぼう抜きにしてしまうように、この本は一気に作者のムチを入れられ、飛ぶように疾走しました。

そのままの勢いで、疾走のままに、次の章に、僕は連れて行かれました。

そこで、更なる衝撃を受けることになります。

これまで、まるで無関係だったと思われていたことどもが、すべて、有機的に、繋がるのです。
そのつながり方が、もう、本当に気持ちいい。

風呂に入りながらも、明確にそれとわかる鳥肌が、立ちっぱなしになるくらいの、壮大なカタルシスの連続、連続、連続、これでもかというくらいのカタルシス。

しかも、すごいのは、単なる伏線の回収ではないんですね、物語を新しい局面へと強靭に押し上げながら、それでも、しっかりと伏線を拾い上げている。

もうこの段にくると、もう、僕は作者に身も心も任せきっていました。

好きなところまで、連れて行ってくれと、物語の世界の中に、自身を浸しきっていました。

これが、至上の物語体験だろうと僕は確信して思いました。

疾走の始まりが遅かったゆえに、分厚く、必然的に分厚くなってしまったクライマックス部に起きる、これまで見たことも聞いたこともなかった、あるいは、見たことも聞いたこともあるようで、実は、そのすべてを一度に体験したことのなかったことを、痛感することでしょう。

最後は、まるで、最新鋭の4DXの映画館で、極上の映画を観終えたような、ある種の虚脱感がありました。

それが、とてつもなく、気持ちがよかったのです。

よろよろと、よろめきながら、風呂から上がりつつ、僕はとんでもない体験をしたと思いました。

もう、僕は決めていました。

これこそが、正真正銘の「6代目天狼院本」だと。

よろめきながら、完全にバスタオルで拭くこともせずに、とりあえず、浴室の外に出ました。

もう、すでに昼の光になっていました。

充電器に繋がれていた、iPhoneを手に取りました。

Facebookを開き、こう、書き込みました。

秘本、見つかったよ。

ちょっと眠いんで、休んでから天狼院に行く、
午後のアポには間に合わせる、スタッフは速報で流しておいて、僕の代わりに。

そう、もう、自分で改まって速報を打つ、気力も体力も残されていませんでした。

ただ、至高のカタルシスを体験したという、もはや、感動の想い出と、それにともなう満足感がたしかに胸に残されていました。

「これぞ、読書。これぞ、小説。これぞ、天狼院秘本」

僕は確信を持って、そう思いました。

今回も、以下の条件を受け入れてくれた方にだけ、お譲りします。

・タイトル秘密です。
・返品はできません。
・他の人には教えないでください。

6代目天狼院秘本を、こうして皆様にお届けできることを、本当に涙がでるくらい、嬉しく思っております。

どうぞよろしくお願いします。



*今回は有名な著者の作品ですので、もうすでにお持ちのかたもいるかもしれませんが、ヒントは、画像です。もしかして、と思われる方は、写真とご自身が持つ本を照らしあわせて見て下さい。

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*送料をいただく代わりに全国の天狼院書店で使えるドリンクチケット(¥360円相当)をおつけします。
*お客様都合による返品は致しかねますのでご了承ください。

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